Y Combinatorの投資先

Y Combinatorが投資しているスタートアップの情報をまとめます。自分のメモやアイデアがわり。誤訳・勘違いは許してください。

Demeanor.co  教育とエンタメの融合についても語る

前書いたのは夏休みですね。アプリ作って遊んだり卒論の勉強したりで文章書く気力が起きずサボっていました。
 
久々に文章を書きたい気分なので更新しようかなと思います。
 
 
Y Combinatorの投資先を紹介しているブログです。事業、起業のアイデア、レポートのネタにぜひどうぞ
 
第9回は Demeanor.co
 
 

概要

 
インフルエンサーによるオンライン教育プラットフォームです。ジェイクポールというアメリカの最強インフルエンサー(vine, instagram, snapchat, youtubeで4300万のフォロワーを持つ)がインフルエンサーになるためのカリキュラムを提供しています。
 
 
 

ストーリー

 
ジェイクはすでに大物のインフルエンサーで、彼のようになりたいと望み人たちは大勢います。
 
ソーシャルメディアの世界は自由なところなので、強固なモチベーションと毎日コンテンツを制作する熱意、十分な時間があれば誰でも成功することは理論上可能です。
 
ただ、インフルエンサーになるために学んでおく戦略は必ず存在するといいます。
 
どのように露出を増やすか…どのように収益化するか…..などなど
 
これらのTipsを提供するのが、この”Deameanor.co”なのです。Edfluence = Education + influence と彼はコースを名付けています。https://blog.demeanor.co/jake-paul-teaches-how-to-become-a-social-media-influencer/ から引用

 

細かい機能

  • 60以上のジェイクのコンテンツ

  • スマホ上でいつでも視聴可能

  • クリエイターのコミュニティーへの参加

が目玉の機能です。肝心なコンテンツの内容はというと、
となっています。

 

マネタイズ

64$の買い切りのようです。

 

 

考察

今回紹介したのはインフルエンサーによるインフルエンサーになるための教育コンテンツ提供のプラットフォームでした。

 

日本で知っている人は少ないかもしれませんが相当このジェイクポールはやり手のようですね。Vineからyoutubeなど様々なSNSに進出し、1700万のyoutubeチャンネル登録者がいます。 (日本国内最強youtuberのヒカキンさんは677万です。)

 

兄もyoutuberとして有名で、青木ヶ原樹海の遺体を投稿して炎上したというニュースもなんとなく聞き覚えがあります。

 

 

 

さぁ肝心なサービスについてなのですが…

 

 

半端なインフルエンサーやセルフブランディング記事から学ぶよりは大物から学んだ方が良い!というのはわからんこともないですね。

 

憧れている人を目指すためにその人から指導を受けられるのは幸せなことかもしれません。動画のプロですから面白く伝えてくれそうですし。

 

 

コンテンツはタイトルしか情報がなかったのでそこから推測するしかありませんが、まぁ比較的一般的なことなのかと。結局当たり前のことを当たり前にするのがバズるコツなのか…??

 

 

「こんなの結果論だろ!」とツッコミを入れたくなるのはどんなビジネス書でも一緒ですね。

 

 

 

 

 

 

うーん。

 

 

大した考察ができませんでした。

 

 

 

 

最初はインフルエンサーが学校の勉強とかを教えてくれるやつなのかなと思ったんです。言ってしまえば情報商材っぽいですねこれは。

 

 

 

イメージしていたのはソフトバンクの「私立スマホ中学」というやつ。

www.softbank.jp

 

こちらも学校の勉強というよりも、芸能人やインフルエンサーがそれぞれが考える人生論みたいなものを話すコンテンツのようです。

 

 

 

 

学習とエンターテイメントの両立は本当に難しいですよね。

 

 

ゲーミフィケーション(ゲームの要素を取り入れる)も注目を浴びていますが、所詮ゲーミフィケーションは有効な”外発的動機付け”であって本質的な”内発的動機付け”には繋がっていないと思います。

 

 

マンガ日本の歴史とかマンガで学ぶシリーズは結構いいと思います。”文字を読む”という認知的な負荷を抑えつつ、デフォルメすることでとっつきやすく、本質的な面白さを伝えやすくする効果があるんです。

 

 

でも本質的に面白くないもんもありますからね。中高の化学みたいな暗記ゲーみたいな教科だと。大学で理解が進むと面白いはずですけど。

 

 

本当に難しいものです。

 

 

 

 

 

久々の投稿がこんな感じですみません。

Papa レンタル孫サービス??

Y Combinatorの投資先を紹介しているブログです。事業、起業のアイデア、レポートのネタにぜひどうぞ
 
 
 
 
 
第8回はPapa
 
地域の大学生とお年寄りを結びつけ、お手伝いをするサービスです。マイアミ発のスタートアップで、Y Combinatorでは2018年春のクラスに所属しています。
 

f:id:kyuhinblog:20180728133040p:plain

 image credit: papa
 
 
公式webにはGrandkids OnDemand オンデマンドの孫と大きく書いてあり、ちょっと響きに戸惑いましたが詳細を見て行きましょう。
 
 
 
 
主に独居老人を対象としており、webを通じて大学生にきてもらって、様々なお手伝いをしてもらうことができます。
 
 
 
 
 
サービスのアイデアは創業者の個人的な経験から生まれました。
 
 
 
創業者のParkerさんはPapaを始める以前は、認知症の祖父を介護する傍MDLIVEという遠隔医療サービスの会社で働いていました。
 
 
 
ある日仕事が忙しかったため買い物についていけないことがあり、facebookで代わりに人を探したそうです。そのときお手伝いをしてもらった女性はその後話し合いや経歴調査を済ませた後、日常的に手伝いに来てもらうことになりました。
 
 

この経験から”普段介護が必要なほどではないのだが、たまにお手伝いが必要な老人” と、その手伝いをする人のマッチングの可能性を見出したそうです。

 

https://techcrunch.com/2018/06/25/y-combinator-backed-papa-is-grandkids-on-demand-for-seniors-who-need-some-extra-help/

 

 

 

 

 

 

機能

 

 

使い方は3ステップです。

 

1.チャットや電話でPapaの管理スタッフと相談し、どのようなお手伝いが必要かを決める

 

2.電話、メール、アプリなどからリクエストを送る。

 

3.Papa Pals(大学生スタッフ) がやってくる。

 

という流れになっています。

 

 

f:id:kyuhinblog:20180728133201p:plain

image credit: papa

 

 

 

 

 

頼めるお手伝いは基本的にはなんでもです。

 

例として上げられているのは、

 

・掃除、買い出し、洗濯、料理 などの家事手伝い

・美容院や銀行までの送り迎え

・散歩の付き添い、一緒にボードゲームをしたり本を読んだり。

・パソコンやスマホの使い方を教えてもらう

 

などなどです。

 

 

 

Papa Palsと呼ばれる大学生スタッフの多くは介護や、社会貢献活動、福祉について学んでいるそうです。

また、犯罪歴や交通違反歴などが調べられるだけでなく、人格テストも行われ信用できる人物のみが採用されています。

 

 

 

最も多いニーズは運転だそうです。

 

 

既存のホームケア事業者が最低1時間からの受付となっているために頼めず、

 

Uberでは本当に送り迎えだけで買い物の手伝いなどはしてくれない

 

 

という課題をPapa Palなら解決してくれます。スーパーまで運転してもらい、買い物に付き添い荷物運びまで手伝ってくれるのです。

 

 

 

マネタイズ

 

現状提供しているサービスでは、1時間15ドルで送り迎えのコースと、家事手伝いのコースを提供しているようです。

 

学生さんは3時間くらいの勤務で20ドルから30ドルもらっているそうなので、だいたい1時間5ドルは企業の利益になっているでしょう。

 

やや一般のバイトよりはわりが悪いかも?

 

 

 

展望

 

2018/6時点ではフロリダのみのサービス提供にはなりますが、徐々に拡大して行く見込みだそうです。

 

 

 

考察

 

ブログエントリーではレンタル孫サービス?とやや悪意のある言い方をしてしまいましたが、独居老人の困りごとや寂しさを救うという点で非常に社会的意義のあるサービスだと思います。

 

 

比較的時間のある大学生をスタッフとして雇うことで、ホームケアサービスと比較しての利便性や安さを実現すると同時に孫に会えるというような体験をうまく作り上げています。

 

 

ちょっと割の悪いバイトになってはいますが、福祉に感心のある学生ならば良い経験になるのではないでしょうか。

 

 

 

見ていって引っかかったのは3つくらい。

 

 

1.お年寄りにどうやってこのサービスを広めるのか。

 

サービス加入後は、電話でもチャットでもアプリでもと使えるツールを用いてPalを呼ぶことができるようになっており、お年寄りでも難しくないようになっています。

 

しかし、最初にこのサービスまでどうやってたどり着くかが問題です。日本ならリハビリみたいな老人が集まるところに広告出したり、老人会婦人会にツテを作ったりするのかな?

 

お年寄りがスマホを使えないことがボトルネックになってるサービスはいくつもあるんだろうと思います。

 

 

 

2.独居の寂しさを慰めるためにお金を払うことについて。

 

それこそJKお散歩みたいな感じがしてメンタルブロックが強そうです。しかし、独居老人にとってはお手伝いが助かるのはもちろん、会話相手ができることの喜びも本当に大きいんじゃないかなぁと思います。

 

タクシーの運ちゃんと仲良なって買い物も手伝ってもろたねん みたいな感じになるといいんですが。

 

お年寄りのためのフードデリバリーは現在でも多少流行ってると思います。ご飯持ってくるついでにちょっとおしゃべりしたりお手伝いしたりしてくれるみたいにできないかなと。

 

おしゃべりするから1000円アップみたいなのは論外です。話し相手になってもらうためになかなかお金はプライド的にも財布的にも出せないと思います。だから息子夫婦が払う見守りサービスみたいな感じで食事配達でもウォーターサーバーでも掃除でもなんでもいいので口実つけてスタッフがお年寄りを訪問して話し相手になってあげるみたいなのはどうでしょう。

 

 

3.白タクなんだよなぁ~

 

日本じゃそのままはできませんね.... Uberが引っかかってるのと同じように送り迎えをタクシー以外がしてあげたら白タクになっちゃいます。

 

何か法律の抜け穴を探すか、送り迎え以外のところでバリューを見つけるかですね。でもPapaの場合は最大のニーズが送り迎えだそうなのでかーなり痛い。

 

勉強不足であれなんですが、なんで白タク規制っているんですか???

 

 

 

終わり

Meru Health スマホで鬱を癒すメンタルヘルスケアサービス

Y Combinatorの投資先を紹介しているブログです。事業や起業のアイデア、レポートのネタにぜひどうぞ。
 
 
 
 
 
第七回はMeru Healthフィンランド発のスタートアップで、スマートフォンを通じてのメンタルセラピーを提供しています。
 
 
世界中で鬱は大きな問題となっています。WHOによると30億以上の人が鬱に悩まされ、26億の人が不安障害に苦しんでいるそうです。
 
 

f:id:kyuhinblog:20180727145032p:plain

image credit: Meru Health


 

概要

 
創業者のKristian RantaさんとAlbert Nazanderさんは共に鬱で家族を失っており、その経験がこのサービスを始めるきっかけになったようです。Y Combinatorでは2018年の春クラスに所属しています。現在はカリフォルニアとフィンランドのみのサービス提供です。
 
 
 
 
 
 
 
 

プログラムと機能

 
 
Meru Healthはオンラインでのメンタルクリニックです。専用のアプリを通じて専属のセラピストと連絡を取り、それぞれの治療プログラムを進めていきます。
 
f:id:kyuhinblog:20180727145520p:plain
image credit: Meru health
 
 
 
プログラムは基本的に八週間の長さで、
 
 
・マインドフルネス(瞑想)
・行動活性化療法
 
 
を組み合わせて、個人に合わせて構成されます。70年代にマサチューセッツで開発されたストレス軽減法をもとにしているとのこと。
 
 
 
アプリを通じて資格を持つ担当セラピストと連絡を取ることができ、患者さんを元気付け回復できるよう手助けを行います。
 
 
また、患者同士のコミュニティもあり、匿名でありつつもお互いが鬱と戦う姿を励まし合うことができます。
 
 
 
 
 

マネタイズ

 
料金プランは一通りで、
 
$590/8週間のプログラム
 
となっています。
 
二週間で打ち切りを利用者が決めた場合は100 %の返金を行なっていることも特徴です。
 
 
 
 

展望

 

“Many people achieve remission after eight weeks,” Ranta said. “Many people do get better and stay better. It’s surprisingly effective for many people. The core thing there is, in general, in psychological treatments, like psychotherapy and these mindfulness-based interventions, they tend to be more effective on a longer term keeping people better, not relapsing.”

 

https://www.mobihealthnews.com/content/palo-alto-medical-foundation-taps-meru-health-digital-therapeutic-depression

 
Rantaによると、多くの利用者が八週間のプログラム終了後には効果を感じているとのこと。また、一時的なごまかしではなく長期的に効果のあるプログラムを提供していくことがメンタルセラピーには大切だと語っています。
 
 
 
公式サイトには86%が8週間のプログラムをやり遂げ、75%が効果を感じているという調査結果が記されています。
 
 
 
 
フィンランドでは学生の鬱が問題になっています。学生たちの健康を管理するフィンランド学生健康機構 ?(Finnish Student Health System)は、Meru Healthを用いてデジタルセラピーがどのくらい学生たちの鬱に効果があるかの実証実験を行っているそうです。
 
良い結果が出ればさらなる拡大が見込めそうですね。結果が出なくても、大規模な実験ができたことは大きな資産になると思います。
 
 
 
 
 
 
 

考察

 
FinTech, AIときて今回はヘルスケア領域のサービスです。どれも近年非常に注目されていると思います。
 
 
 

 

オンラインでのセラピーということで、skypeでセラピストと話すといったものをはじめ想像していましたが、基本的にはマインドフルネス(瞑想)をもとに自分で行うプログラムのようです。一見効果が薄いような印象を受けましたが、利用者はしっかりと効果を体感しています。
 
 
一人ではなかなか続かないのでプロの伴走者がいるというのはこころ強いですね。やれ、って言ってもらえることの大切さ。筋トレのライザップはその典型かと。
 
 
 
 
 
 
西欧ではカウンセリングが盛んなだけでなく、洋ドラでも瞑想のシーンとか出てくるようになりましたし、メンタルヘルスケアが自然な習慣として向こうでは広まってきていると思います。
 
 
 
反面日本はまだまだです。精神論が減ってきてはいるとはいえ、メンタルヘルスに関して自己の弱さのように感じてしまったり、カウンセリングに行く人は相当病んでいる人というようなイメージがあったりします。要はメンタルブロックがものすごく分厚いんですね。 (ちなみにファッションメンヘラは大嫌いです)
 
 
 
手軽というか身構えずに日本人がメンタルヘルスケアに望めるようになるにはどうすれば良いんですかねぇ.....
 
 
 
 
 
 
 
最後に書いておきたいのはフィンランドの国ぐるみの取り組みについてです。
 
Clash and Clanを知っていますか? スマホゲーです。これを作ったのはSupercellというフィンランドの会社です。(今はソフトバンクが買収したのち売却してテンセント(中国企業)のものになってたりもしますが。)
 
200億ドル以上の企業に成長したSupercellの成功を踏まえ、フィンランドは国としてスタートアップへの投資を強化したとのこと。その中でもヘルスケア領域には注力しており、このMeru Healthもその一つです。
 
 
 
スタートアップの成功はカリスマ起業家がうまれるかうまれないか、どの国に生まれるかの運でしかないようにみえて、その確率を上げて行くような国ぐるみの取り組みは非常に有効だと思います。
 
 
 
頑張れ日本政府。
 
 
 
活動していることは知っていますよ。でも電車の吊り広告にあるスタートアップフェアみたいな広告めっちゃ胡散臭くないですか…?
 
 
終わり!
 

LeenaAI AIが会社での疑問になんでも答えてくれる...!?

Y Combinatorの投資先を紹介しているブログです。事業や起業のアイデア、レポートのネタにぜひどうぞ。
 
 
 
 
第六回はLeena AI
 
職場での様々な疑問をチャットで送ると回答をしてくれるチャット
ボットです。
 
 

f:id:kyuhinblog:20180726133631p:plain

 image credit: Leena AI

 

 

概要

立ち上げたのはAdit Jainら。インド出身で大学卒業後Chatterronというチャットボット制作支援サービスを提供していた人たちです。
 
この事業の経験から、幅広い分野をカバーするAIよりも一つの分野に特化させた方がAIの学習効率が良いことを学び、”会社内”,”人事”に特化させたチャットボットサービスを構想したそうです。
 
立ち上げ後Leena AIはY Combinator Summer 2018クラスのメンバーとなり資金提供を受けました。
 

 

 

機能

詳しい機能と使いかたを見て行きましょう。
 
Leena Aiはスマートフォンからアクセスできるチャットボットです。現在は、skype for buisiness, slack, workplace by Facebookに備わっているチャットツールを通じて会話をすることができます。
 

f:id:kyuhinblog:20180726133354p:plain

image credit: Leena AI

 
 
例えば画像のように質問を送ると(残りの休暇は?)
 
Leenaから返信が返ってきます。(45日休暇が残っていて25日があと2ヶ月で失効します)
 
 
 
 
チャットによって行える機能は大きく分けて3種類です。
 
人事に関する質問
    ・給与、休暇、出張申請、スケジュール管理
個人パフォーマンスマネジメント
    ・達成目標、到達度、ゴール設定、リマインダー機能
社内パフォーマンス、ムード調査
    ・社員の満足度、幸福度、意見収集
 
チャットボットを活用して、担当者を煩わせる手間を省いたり、公では聞きにくいことをうまく聞いたりすることに成功しています。
 
 
それではこれらの機能はどういった仕組みで動いているのでしょうか?
 
いちいち中の人が返信しているわけではありません。会社規則やSAPやOracle、NetSuiteなどが提供しているバックエンドシステムから情報を引き出して、繰り返される質問の中で学習を進めるという形で運用されています。
 
 
このようなバックエンドシステムとの連携や人事領域への特化が、他のAIサービスに対する優位点になると創業者も語っています。
 
 
ただ現状窓口にはなれても処理はできないため、Leenaを通じて例えば休暇を申請し、それを中の人が処理するといった仕組みに一部はなっています。
 
 
 
 
 

マネタイズ

社員一人あたり1ヶ月いくらというサブスクリプションモデルになっています。
 
細かく機能を選び組み合わせて契約することができ、例えば上で機能紹介したものではこのような感じです。
 
 
人事への質問機能 $1.25/month
パフォーマンスマネジメント $1/month
Dipstick Pulse Survey $2/month
 
 
 
相場観があまりないので値段についてはなんとも言えないところです。
 
軽く調べてみると日本のビジネスツールであるチャットワークは月500円、LINEWORKSは300円なので機能量的には妥当な感じですね。
 
 
 
 

業績

 
現状22の国で、100000の社員がサービスを活用し、会話数は累計1300000に達しているそうです。コカコーラなどの大手顧客も獲得しています。
 
 
 
 
 

考察

 
 
AIというとどうしてもIBMのワトソンやAppleのSiri、AmazonのAlexaなど大手が先行しているイメージですが、そのハンデを人事領域にターゲットを絞ることでむしろ強みにかえる戦略は見事だと思います。実際に使ったわけではないので精度はどれほどのものなのかはわかりませんが。
 
 
 
 
質問機能は、休暇や給料に関しての質問はではややしにくい、自分のためだけに手間を煩わせるのも申し訳ないし権利を主張しているみたいだというインサイトに刺さっているはずです。このインサイトはインドやアメリカの人よりも日本人に顕著かもしれないですね。
 
現状実務の処理(休暇申請、飛行機の予約)などは中の人に連絡が行く形になっていますがそのうちそれも全てAIが処理できるようになるでしょう。
 
 
 
 
また、極めて定性的で人由来な人事の領域にもテクノロジーの導入が進んでいます。いわゆるHRTech。
 
採用や交流はもちろん(LinkedIn, Wantedly, ビズリーチ etc )、人材育成やパフォーマンス管理にも波が訪れているようです。
 
社内パフォーマンスや社員全員のコンディション管理は、生産性の向上のために注目されており、集めたデータを元に面談などの介入や配置転換で刺激を与えることによって成長のきっかけを与えるなどがされています。サイバーエージェントのGEPPOはお天気マークで評価を行っておりとてもユニークです。
 

 

給与を払っている社員がコンディションを落としたり、仕事のせいで社員の心身の体調が悪くなったりするのは、未だ解決されていない社会的に大きな負だと思っているのでこの領域には個人的に注目しています。

 

 

 

見出しとかつけてみました。今日はこんなところで。
 
 
 
 

Kobo360 トラック版Uber

Y combinatorの投資先の会社を紹介しているブログです。事業や起業のアイデア、レポートのネタにぜひどうぞ。
 
   
 
 
 
第五回はKobo360。Kobo360はナイジェリアの物流スタートアップで、企業が運送用のトラックとドライバーを簡単に調達できるというサービスを提供しています。120万ドルをWestern Technology Investmentで資金調達しています。
 

f:id:kyuhinblog:20180725133022p:plain

image credit:cobo360

 

 

https://www.kobo360.com

 

第3回のCowryWiseに続いてアフリカ発のスタートアップの紹介になります。
 
 
 
 
では具体的なサービス内容を見て行きましょう。
 
 
 
サービスの仕組みはいわばトラック版のUberそのもの。アフリカのトラック運転手と運輸ニーズのある企業を結びつけます。
 
 
 
運転手はトラックを登録すると、企業側のリクエスト(例えば APMTからSabon Gariへの運送)が表示されそれを受注できます。
 
何がもっとも運転手にとって利益になるかというと、行き帰り両方荷物を乗せて仕事ができるということです。以前までは仕事は片道で、帰りは空っぽのトラックで走ることもザラでした。
 
 
 
反対に企業はサイトを開き、リクエストを掲示できるだけでなく、近くにいるドライバーを探して仕事を頼むことができます。

 

 

 

 

 “An average trucker will make $3,500 a month with our app. That’s middle class territory in Nigeria.”

 

創業者のOzorによると平均月に$3500もドライバーは稼ぐことができるそうです。この金額はナイジェリアの中流階級に相当します。
 
2017年から開始したサービスは、5480人の運転手と324の顧客を抱え拡大を続けています
 
 
登録するドライバーの数を確保することはこのサービスにとって必須です。
 
 
この課題を解決するのが同時提供しているKobo Wealth Investment Networkというサービスです。
 
 
 
このサービスは一般投資家から運転手が新しいトラックを買うための投資をうけとることができるプラットフォームです。60ヶ月後に投資は利子付きで返済されます。
 
 
 
これなら投資家は安心して投資ができますし、初期資金のないドライバーも参入が可能ですね。

 

 

 

 

 

考察と感想 

 

早くも2回目のアフリカのスタートアップでした。まだ発展途上ということもありたくさんの市場とチャンスが残っているようです。

 

 

物流サービスと聞くとやはり規模の経済が働きそうで、大手の力が強いような印象です。日本でも3社くらいしかないですし。

 

 

しかし、記事中にも引用したTechCrunchのインタビューによるとすでにナイジェリアの大手業者よりたくさんの運転手を抱えているとのことです。

それだけ運転手にとってこのサービスが与えるメリットが大きかったわけですね。

 

 

しかし、日本に入ってこられるかといえばまた微妙そうです。大手が強いですし。アフリカと同じく国土が広く地続きの中国では似たようなサービスのチャンスは大きそうです。事実正月に見たNHKの中国トラックドライバーのドキュメンタリーでは、帰りは空のトラックで長距離走って燃料費と時間を無駄にするという問題が語られていました。

 

今日はこんなところで。

Emptor 企業とローカル清掃業者のマッチングサービス

Y Combinatorが投資している会社の紹介をしていきます。第4回。
 
 
 
今回紹介するのはEmptor
 
 
地元の清掃業者(janitor), 庭師(landscaper), ケータリング業者, 空調修理屋を、企業が簡単に探して雇えるというサービスです。
 
 
具体的な利用手順は
  1. プロジェクトの募集を書き、値段を設定する
  2. その募集を見た業者が連絡してくる
  3. マッチング成功
といったものです。

f:id:kyuhinblog:20180724134550p:plain

 image credits: emptor.ai

 

このように応募業者の金額や質問への回答を見やすく並べてくれます。

 

 

 

このサービスの利点はどういったところにあるのでしょう?
 
 
雇い主はあちこち電話をかけて業者を選ぶ手間が省けます。特に、見知らぬ土地で新たな事業やプロジェクトを展開しようとした際の業者選定には非常に役立つでしょう。またコンペ形式になるため、雇い主は費用を従来よりも抑えられるというのもポイントです。
 
 
反対に業者は電話がかかってくるのを待つのではなく自分から受注をできます。
 
 
両者が得をする仕組みになっていますね。
 
ただ課題としては、虚偽の記述をして仕事を受注する業者の存在があり、対応策を講じていく必要があると創業者も語っています。
 
 
 
 
両者が得をするマッチングサービスの構図が描けていますが、似たようなサービスはないのでしょうか?
 
TechCrunchのライターのMatter Lynleyの記事によると
But while it’s an attempt to try to bridge that gap between the company and a service provider, it’s one that many companies have tried to fill before. There are tools like Angie’s List and others for finding contractors, though Velker says those are primarily geared toward consumers — and some end up bending the apps in order to fill the needs they have for contractors without some kind of formal platform to use. Velker acknowledges the theory behind all these tools is pretty similar, though he hopes Emptor will be able to tackle the specific needs companies might have that he’s experienced himself.
これまでも企業とサービス提供者を結びつけるサービスがいくつも開発されている (Angie’s List など)ことに対し、
創業者のVelkerは、他サービスは主に個人向けであり、プラットフォームを利用せずに彼らの業者に対するニーズを満たすためにサービスを歪めてしまっていることを指摘しています。
 
 
 
 

 考察

 

今回はtoBのマッチングサービスでした。探すのに手間がかかったり、難しかったりするものを簡単にするというマッチングサービスの構図は非常にわかりやすいですね。

 

採用や、恋人探しから始まり、教師やレストランなどあらゆるマッチングサービスがすでに存在しているように思えてしまいますが、それはto Cが中心でありまだまだto Bには参入の余地がたくさんあるかもしれません。

 

このサービスの成功の如何はどれだけ業者に登録させるかにかかっていると思いますが、ローカルにビジネスを展開している業者さん達がwebの活用に乗り出すハードルはどのくらいなものなのでしょうか...

 

応募が無く、利用者に使えないサービスだと思われたら一巻の終わりですよね。乱立する恋人マッチングサービスは特にこの問題が激しい印象です。

 

また日本に展開しようとすると、ローカルな企業同士の繋がりが大きな障害になってきそうだなぁとも感じました。

 

おしまい 

CowryWise アフリカの若者のための家計簿アプリ

Y Combinatorの投資先を紹介していきます。
 
 
CowryWiseはナイジェリアの会社で、アフリカの若者をターゲットとしたPFM(Personal Financial Management)=個人資産管理サービスを提供しています。簡単に言えば家計簿アプリですね。
 
 
資産状況をスマホで確認できるだけでなく、目標額に向けての自動貯蓄や投資の管理もできます。
 
 
アメリカではMintやCapital,Homepayといったサービスが存在しており、日本でもマネーフォワードが利用者を増やしています。本サービスはそのアフリカ版というわけです。Fintechの波は世界中に及んでいるようです。
 
 
 
ナイジェリアのfintechの導入は遅れており、一部の富裕層と企業のみが資産管理サービスを受けられるというのが以前の状況でした。銀行の利子もとても低く、1ヶ月に4回以上引き出さないと利子はなくなるといった銀行もあります。また、そもそも銀行を利用していない人もかなりの数いるようです。
 
 

Now, with as low as N100, someone can sign on to its platform and begin to save, says CEO and co-Founder, Ahmed Razaq. “It is meant for everybody,” says Razaq. “The idea is that everyone can save and earn a decent interest on it.”

 
そこで立ち上げられたのがこのCowryWiseです。CEOであり共同創業者のAhmed Razaqは「このサービスはみんなのためのものだ」「みんなが貯蓄ができ、満足のいく利子を受け取ることができるようになって欲しい」と語っています。
 
 
集めた預金は信託銀行と協業してリスクフリーの政府国債に投資し
ており、高い利回りを得る仕組みがあります。
 
 
PFM機能は一般的なサービスとほぼ同じですが、Sisiというどこかで聞いたような名前のchatbotがfacebook messengerを通じてサポートするという機能があります。アプリだけでなく、メッセンジャーを通じてSisiに訪ねることで資産状況の確認ができるそうです。
 
 
 
ここからは考察です
 

www.soumu.go.jp

によるとナイジェリアのスマートフォン普及率は右肩上がりに増加しており、2015年に8割を超えています。モバイルシフトに合わせて、fintechの波が押し寄せてくるのはもはや必然ともいえるでしょう。

 

そんな中誕生したのがこのCowrywise。日本のPFMと比べて目を引いたのが信託銀行との提携により、投資利益をCowrywiseが得ていることです。

 

マネーフォワードも急成長している企業ですが収益モデルとしては個人課金・広告収入・金融機関向け情報サービスの3本であり、預金投資によって利益を得ている訳ではありません。

 

根拠はありませんが、金融機関と Fintech企業のパワーバランスの違いがこのような違いを産んだのかと。日本の銀行は強く、ナイジェリアのfintech企業は強い。

 

このような収益モデルだと個人課金を前提としないサービス作りができるのはとても素敵なことだと思います。無課金者に対する機能制限で嫌な気分にさせたり、目障りな広告を無理に表示する必要がないですからね。そもそもfintechサービスのお金を貯めるためにお金を使うことに拒否感を覚える人も少なからずいるのではないでしょうか。

 

 

個人課金がうまくいっている日本国内サービスはcookpadくらいなものというイメージでしたが世界的なトレンドはどうなんでしょう?これからのリサーチの際、頭の片隅に置いておこうと思います。

 

 

終わり。