Y Combinatorの投資先

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LeenaAI AIが会社での疑問になんでも答えてくれる...!?

Y Combinatorの投資先を紹介しているブログです。事業や起業のアイデア、レポートのネタにぜひどうぞ。
 
 
 
 
第六回はLeena AI
 
職場での様々な疑問をチャットで送ると回答をしてくれるチャット
ボットです。
 
 

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 image credit: Leena AI

 

 

概要

立ち上げたのはAdit Jainら。インド出身で大学卒業後Chatterronというチャットボット制作支援サービスを提供していた人たちです。
 
この事業の経験から、幅広い分野をカバーするAIよりも一つの分野に特化させた方がAIの学習効率が良いことを学び、”会社内”,”人事”に特化させたチャットボットサービスを構想したそうです。
 
立ち上げ後Leena AIはY Combinator Summer 2018クラスのメンバーとなり資金提供を受けました。
 

 

 

機能

詳しい機能と使いかたを見て行きましょう。
 
Leena Aiはスマートフォンからアクセスできるチャットボットです。現在は、skype for buisiness, slack, workplace by Facebookに備わっているチャットツールを通じて会話をすることができます。
 

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image credit: Leena AI

 
 
例えば画像のように質問を送ると(残りの休暇は?)
 
Leenaから返信が返ってきます。(45日休暇が残っていて25日があと2ヶ月で失効します)
 
 
 
 
チャットによって行える機能は大きく分けて3種類です。
 
人事に関する質問
    ・給与、休暇、出張申請、スケジュール管理
個人パフォーマンスマネジメント
    ・達成目標、到達度、ゴール設定、リマインダー機能
社内パフォーマンス、ムード調査
    ・社員の満足度、幸福度、意見収集
 
チャットボットを活用して、担当者を煩わせる手間を省いたり、公では聞きにくいことをうまく聞いたりすることに成功しています。
 
 
それではこれらの機能はどういった仕組みで動いているのでしょうか?
 
いちいち中の人が返信しているわけではありません。会社規則やSAPやOracle、NetSuiteなどが提供しているバックエンドシステムから情報を引き出して、繰り返される質問の中で学習を進めるという形で運用されています。
 
 
このようなバックエンドシステムとの連携や人事領域への特化が、他のAIサービスに対する優位点になると創業者も語っています。
 
 
ただ現状窓口にはなれても処理はできないため、Leenaを通じて例えば休暇を申請し、それを中の人が処理するといった仕組みに一部はなっています。
 
 
 
 
 

マネタイズ

社員一人あたり1ヶ月いくらというサブスクリプションモデルになっています。
 
細かく機能を選び組み合わせて契約することができ、例えば上で機能紹介したものではこのような感じです。
 
 
人事への質問機能 $1.25/month
パフォーマンスマネジメント $1/month
Dipstick Pulse Survey $2/month
 
 
 
相場観があまりないので値段についてはなんとも言えないところです。
 
軽く調べてみると日本のビジネスツールであるチャットワークは月500円、LINEWORKSは300円なので機能量的には妥当な感じですね。
 
 
 
 

業績

 
現状22の国で、100000の社員がサービスを活用し、会話数は累計1300000に達しているそうです。コカコーラなどの大手顧客も獲得しています。
 
 
 
 
 

考察

 
 
AIというとどうしてもIBMのワトソンやAppleのSiri、AmazonのAlexaなど大手が先行しているイメージですが、そのハンデを人事領域にターゲットを絞ることでむしろ強みにかえる戦略は見事だと思います。実際に使ったわけではないので精度はどれほどのものなのかはわかりませんが。
 
 
 
 
質問機能は、休暇や給料に関しての質問はではややしにくい、自分のためだけに手間を煩わせるのも申し訳ないし権利を主張しているみたいだというインサイトに刺さっているはずです。このインサイトはインドやアメリカの人よりも日本人に顕著かもしれないですね。
 
現状実務の処理(休暇申請、飛行機の予約)などは中の人に連絡が行く形になっていますがそのうちそれも全てAIが処理できるようになるでしょう。
 
 
 
 
また、極めて定性的で人由来な人事の領域にもテクノロジーの導入が進んでいます。いわゆるHRTech。
 
採用や交流はもちろん(LinkedIn, Wantedly, ビズリーチ etc )、人材育成やパフォーマンス管理にも波が訪れているようです。
 
社内パフォーマンスや社員全員のコンディション管理は、生産性の向上のために注目されており、集めたデータを元に面談などの介入や配置転換で刺激を与えることによって成長のきっかけを与えるなどがされています。サイバーエージェントのGEPPOはお天気マークで評価を行っておりとてもユニークです。
 

 

給与を払っている社員がコンディションを落としたり、仕事のせいで社員の心身の体調が悪くなったりするのは、未だ解決されていない社会的に大きな負だと思っているのでこの領域には個人的に注目しています。

 

 

 

見出しとかつけてみました。今日はこんなところで。