Allure SYSTEMS ユニクロのモデルはなぜ外人なのか
Y Combinatorの投資先を紹介しているブログです。事業、起業のアイデア、レポートのネタにぜひどうぞ
第16回はAllure SYSTEMS
image credit: Allure systems
この3人の写真はシステムによる合成なんです!
わざわざモデルを呼んで服を着せて取るのではなく、体型のバーチャルモデルと服のデータさえあれば自動で様々なモデル写真を制作することができます。
概要
このサービスが生まれた背景にあるのは、ダイバーシティ(多様性)やインクルーシビティへの配慮の高まりです。特にグローバル展開するブランドには大きな問題となります。
これらへの配慮にファッションブランドや小売店はwebに多額の費用をかけているだけでなく、サーバーに負担をかけて読み込みが遅くなってしまったり、写真の数が限られてしまったりしています。
さらには、米国ファッションサイト上の68%の写真は小さいサイズを着たスマートなモデルが写っており、顧客が写真を見ても自分が着るイメージがわかないといいます。
つまり、ファッションサイト上の写真には3つの課題があります。
・多様性への配慮が大変
・コストと手間がかかる
・購買意欲を有効的に高められていない
こういった課題をAllure Systemは解決するのです。
どうやっているのか?
Allureは男女両方の様々な人種、体型の3Dバーチャルモデルを持っています。
ファッションブランドはAllureのスタジオで1枚だけ服をマネキンに着せて撮っておきます。
訪問した、顧客が体型等の条件を設定すれば、優れた画像処理システムがその服を着たモデルの写真を自動で作成するという仕組みです。
マネタイズ
SaaSなので導入サイトから月額課金でしょうか。まだ詳細は明らかにされていません。
展望
将来的には3DやARへの展開も視野に入れている様子です。
考察
今回はファッションブランド・通販サイト向けSaaSということでここまで見てきました。あんまり今までの紹介記事の中でSaasというかto B向けのサービスってなかったですね。Y Combinatorの傾向なのでしょうか。
最初調べ始めたときAllureはAR試着ができるサービスなのかとワクワクしましたが、それはまだ難しいようですね。布のしおれかたや皺、たるみかたまで全て計算することになると大変そうです。
先日ちょうどユニクロいって、「モデルの写真が外人ばっかで体型も違うしよくわからんよね」と話していたとこだったのでまさにこの課題を解決してくれるサービスかと。
ZOZOTOWNもダンディなヒゲのモデルさんも多くて自分の年に合うのかわからなかったりもします。ZOZOSUITSは服を身体に合わせに行きましたが、これはあくまでも写真を身体に合わせにいったという感じですね。
サイトを見ている限りこのAllureの強みはこの画像処理システムと丁寧に撮影・計測したモデルの身体データのようです。
この強みはいつまで続くものなのでしょうか。AmazonやeBAYが本気出したらAIに写真食べさせてすぐ追随されてしまうのか。その過程でうまく買収されてexitを狙っても良いのかもしれませんが。
ちなみに日本のファッション通販というとZOZOTOWNですが、アメリカだとかなりもうAmazonが強い様子。ヨーロッパではZalandoというドイツ発のサービスがシェアをAmazonと競っているとのことです。
今回はこのくらいで。