HeyDoctor スマホの中のお医者さん?
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第12回はHeyDoctor
ズバリ、スマホの中のお医者さんです。
概要
HeyDoctorはオンラインで受けることができる医療サービスです。薬の処方や簡単な診療をドクターにしてもらえます。
2018/11の時点では妊娠検査や尿路感染症、ニキビケア、脱毛防止、禁煙治療といったサービスをオンライン上で提供しています。
何と申し込んでから5分以内で医師からのチャットでの応答があるとのこと。
オンラインで処方してもらったあとは、地図上で近くの薬局を選び処方薬の受け取りに行きます。(郵送も可)
その後はいつでもチャット形式でドクターに連絡を取ることができます。
ビデオ通話などの機能はなく、基本的にはチャットに機能を絞っています。
ストーリー
サンフランシスコでHeyDoctorを立ち上げたチームには、医師・エンジニア・デザイナー・法律家が集まっています。
彼らを繋ぐのは米国のヘルスケアが崩壊しているという危機感。
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待ち時間
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保険
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アナログな書類仕事
全てがひどいものだと彼らは言います。
この危機意識から彼らは5分以内に安価に、オンラインで受けることができるサービス”HeyDoctor”を作り上げました。
2017年に操業され、2018年夏のシードラウンドで12万ドルの資金提供をY Combinatorから受けています。
詳細
具体的に行うのはプライマリ・ケアです。
プライマリ・ケアといっても何のこっちゃという人も多いでしょう。
Wikipediaを参照してみると、
”直ちに生命の危険がない新規患者を診察し、患者の長期的な健康状態をサポートし、必要な患者は病院に紹介するサービスである”
とされています。
触診や聴診などの直接会う必要がある診療が不要なものというわけですね。
また、暗号化技術で患者の個人情報も守られているとのこと。
マネタイズ
ほとんどの治療は&20以下です。その何割かが会社の収益となります。
展望
現在はアメリカの19の州で提供されています。
提供エリアだけでなく、行える治療の種類も今後増えていく模様です。
考察
今回の記事はヘルスケアサービスでした。
スマホの中のお医者さん? は釣り気味ですね。
確かに、スマホ上でお医者さんとコンタクトが取れるといっても、メインは投薬や処方箋の発行のようです。
まず背景から考えてみたいんですが…
どのくらいひどいことになっているか調べてみると、
「指に包帯を巻いただけで90万円」であったり、
「我が子を抱くだけで4000円」だったり、
とセンセーショナルな記事が並びます。
まぁメディアってのは過剰に取り上げるものではありますが、7割引くらいしても日本と比べてとんでもないですね。
簡単なものはオンラインで安価に済ますという当サービスは、日本で考えるよりもさらにアメリカでは社会的に意義があるものだとわかります。
ただ当然課題はあるわけです。
このサービスではチャットでしか患者と医師は繋がっていません。言うなれば流れ作業で処方箋をチャットで送るばかりです。
プライマリケアとは名ばかりで、誤診のリスクは大いにあるに違いありません。利用者側の問題でもあるんですがね。
また処方された薬の転売などの問題も生じてくるのかなぁと思います。
収益についても課題は残ると思います。他の医院で大もうけをしている中でこのような安いサービスにわざわざ勤めようと思うお医者さんはいるのでしょうか。
とても志の高い人に違いありません。
ただある意味志が高いゆえに低い人よりも収入が低くなる、「正直者がバカをみる」状況になっているとは言えないでしょうか。
早急の医療改革が望まれます。
日本の遠隔医療についてもみてましょう。
https://kotobank.jp/word/遠隔医療-37969
コトバンクを見てみると、
遠隔医療は、交通の不便なところにある医療機関から他の病院に情報を転送し、指示を受け治療を行うというもののようです。
ちょっとHeyDoctorとは違いますね。
近いのはこちら
愛知県を国家戦略特区として実験をしているとのこと。それでも服薬指導がメインですね。
また、初診は対面を義務化しているのも大きな違いです。
この実験結果によっては規制緩和もあるとか。
日本のベンチャー企業には、
医師との”健康相談”ができるFirst callがあります。
あくまでも”相談”であり医療行為ではないとのこと。それでも日常的な予防・セルフケアの啓蒙や病院受診のアドバイスを提供することができます。
これからの規制緩和が期待ですね。
ちょうど内閣でも会議が行われている様子です。