Grabb-IT 無料タクシーへの夢
Y Combinatorの投資先を紹介しているブログです。事業、起業のアイデア、レポートのネタにぜひどうぞ
第11回はGrabb-IT
タクシーの車窓をたちまち広告媒体へと変えてしまうという広告プラットフォームです。
概要
Grabb-ITはものすごく簡単にいうとプロジェクターで、タクシーの後部座席のガラスを広告媒体に変えることができます。
文字では分かりにくいですが画像で見れば一発です。ぜひ公式のHPをみてください。
機械を売るだけではなく、広告のプラットフォームとしてサービスを提供しており、ターゲティング広告の出稿管理もしています。
主にUberなどのライドシェアのドライバーをターゲットにしているようで、運転にプラスの収益が得られるとアピールしています。
週40時間シェアドライアバーとして活動すれば$300を追加で1ドライバーは稼げそうとのこと。
きになるのは仕組みですよね
仕組みも説明してしまえば簡単で、ガラスに車内から透明なシートをはり、そこに内部からプロジェクターで広告画像・動画を投影するといったものです。
設置も簡単で、どうやらシート貼って機械をコンセントに繋ぐだけのよう。
この媒体のメリットをGrabb-ITは
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いつでも点灯している
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ほとんどの人が目にする
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ターゲティングも可能
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人々に強く印象を残す
としています。
周囲のWifiを探知することで、その場所にいる人々の属性を知りターゲット広告が打てるとか。
ストーリー
Y Combninatorの2018年夏のクラスに所属していて、$100,000の資金を獲得したそうです。
様々な実証実験に取り組んでいます。
マネタイズ
広告収入の一部を得るというものです。
展望
100万台以上走る全米のライドシェアの車に搭載されたら....
考察
近未来的で本当に格好いいです。ぜひHPに上がっている動画もみてください。
掲載する企業も先進的なイメージをうまくつけられると思います。
市バスでもよくあるラッピングでよくないか??とも最初は思ったのですが、すぐこのサービスの方が優れている理由が出てきました。
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電源を切れば普通の車
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まずはこのポイントですね。ライドシェアに用いられる車は完全に私物です。仕事ではなくプライペートに用いる車に広告をベタベタ貼ったら当然嫌でしょう。
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自由にかつ簡単に原稿を変えることができる
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ラッピングは結構大変です。コストもかかります。それらを省くことができるというのがまず一つ
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複数の広告顧客をフレキシブルに入れ替えることができることもポイント
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動画の広告も出稿できる
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パッと思いつくのはこんなところでしょうかね。
ただ問題はズバリ”安全性”です。
ピカピカチカチカと動画が流れる車が仮にたくさん走っていたら、ドライバーや歩行者は交通に集中することができるのでしょうか?
注目を浴びながらも注目を浴びすぎないという絶妙な線の広告を作らなければならなくなります。
人の命は大体のものよりは大切ですから慎重にならなければなりませんね。
解決策はせいぜい信号待ちのとき(止まっているとき)にしか映らなくするとか?
そもそも60キロとかで走っているのをみれるのか。
話がちょっと転じますが、日本でも広告タクシーが始まってますよね。
福岡でノモックというベンチャー企業がやっているとか。
まぁGrabb-ITと違ってこれは車内広告ですけど。
記事によると資金調達もうまくいっているようですが、どうなんでしょう。
広告の知識はあまりないのですが、車内広告の媒体価値とはいかほどのものなのでしょうかね。
調べたら出てきました
1台月額1000円(車内ディスプレイの場合)だと…..
かなり安いですねー
ちなみにドアラッピングは半年50万だそうです。
果たして高い日本のタクシー台をまかなえるほどのものなのか….
ノモックの吉田さんは、ターゲティングを突き詰めることによって単価を上げることを見込んでいるようですね。
またそもそも現状タクシー代+広告も実現可能なのに、タクシー代を諦めるという提案にドライバーは乗るか…..
規制緩和が来たら一気にチャンスに転じるかもしれませんね!
Papaのときに続いてまたタクシーの話をしてしまいました。
”移動”はまだまだ規制が強くたくさんのビジネスチャンスが残っていそうで思考が捗りますね。