Kobo360 トラック版Uber
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第五回はKobo360。Kobo360はナイジェリアの物流スタートアップで、企業が運送用のトラックとドライバーを簡単に調達できるというサービスを提供しています。120万ドルをWestern Technology Investmentで資金調達しています。
image credit:cobo360
第3回のCowryWiseに続いてアフリカ発のスタートアップの紹介になります。
では具体的なサービス内容を見て行きましょう。
サービスの仕組みはいわばトラック版のUberそのもの。アフリカのトラック運転手と運輸ニーズのある企業を結びつけます。
運転手はトラックを登録すると、企業側のリクエスト(例えば APMTからSabon Gariへの運送)が表示されそれを受注できます。
何がもっとも運転手にとって利益になるかというと、行き帰り両方荷物を乗せて仕事ができるということです。以前までは仕事は片道で、帰りは空っぽのトラックで走ることもザラでした。
“An average trucker will make $3,500 a month with our app. That’s middle class territory in Nigeria.”
創業者のOzorによると平均月に$3500もドライバーは稼ぐことができるそうです。この金額はナイジェリアの中流階級に相当します。
2017年から開始したサービスは、5480人の運転手と324の顧客を抱え拡大を続けています
登録するドライバーの数を確保することはこのサービスにとって必須です。
この課題を解決するのが同時提供しているKobo Wealth Investment Networkというサービスです。
このサービスは一般投資家から運転手が新しいトラックを買うための投資をうけとることができるプラットフォームです。60ヶ月後に投資は利子付きで返済されます。
これなら投資家は安心して投資ができますし、初期資金のないドライバーも参入が可能ですね。
考察と感想
早くも2回目のアフリカのスタートアップでした。まだ発展途上ということもありたくさんの市場とチャンスが残っているようです。
物流サービスと聞くとやはり規模の経済が働きそうで、大手の力が強いような印象です。日本でも3社くらいしかないですし。
しかし、記事中にも引用したTechCrunchのインタビューによるとすでにナイジェリアの大手業者よりたくさんの運転手を抱えているとのことです。
それだけ運転手にとってこのサービスが与えるメリットが大きかったわけですね。
しかし、日本に入ってこられるかといえばまた微妙そうです。大手が強いですし。アフリカと同じく国土が広く地続きの中国では似たようなサービスのチャンスは大きそうです。事実正月に見たNHKの中国トラックドライバーのドキュメンタリーでは、帰りは空のトラックで長距離走って燃料費と時間を無駄にするという問題が語られていました。
今日はこんなところで。